夢見ヶ崎動物公園公衆トイレ 現場
先日、昨年春から設計を進めていた川崎市にある夢見ヶ崎動物公園の公衆トイレの基礎のコンクリート打設がありました。
今年8月に着工したのですが、既存の公衆トイレが石綿含有建物であったり、埋蔵文化財調査が必要であったりしたため、
基礎打設に至るまでに予想外に時間がかかりました。
ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、夢見ヶ崎動物公園一帯は弥生時代を中心とした様々な遺跡や土器が発掘されている場所です。
(埋蔵文化財調査時の様子)
この場所も例外ではなく、既存の公衆トイレ基礎の下からは弥生時代の住居跡や土器の欠片が出てきました。
調査員の方に聞いたところ、弥生時代前後はこの辺り一帯が海に近かったようで人々が生活がしやすい環境だったそうです。
調査記録を残してから埋め戻して整地し、その上に今回の公衆トイレが建てられることになるのですが、2千年以上も前の人々の生活した遺構の上に
自分のデザインした建築がつくられるというのは感慨深いものがあり、しばらく現場で物思いにふけってしまいました。
埋蔵文化財調査後は工事が順調に進み、床付け、捨てコン、基礎配筋、型枠組み、配筋検査を終え、先週末ようやく基礎打設が完了しました。
基礎だけとは言え、やはり建物の外形が見えてくると少しテンションが上がりますね。順調にいけば来年3月には完成します。
小さい公衆トイレですが、地域の方々に少しでも親しまれる建築になるといいなと願いながら、引き続き工事監理に励みたいと思います。