武蔵新城りんご保育園
武蔵新城りんご保育園
川崎市にある武蔵新城駅のアーケード商店街に計画された認可保育園です。既存の保育園は駅を挟んだ反対の商店街にあり、認可化に伴い拡張移転するプロジェクトでした。
「園児にも地域にも親しまれる明るい保育園」にしたいというクライアントの要望とは裏腹に、計画場所はアーケードに面したビルの1〜2階で採光条件など恵まれていたわけではなかったため、どう透明感や明るさを出すことができるかが課題でした。
外観はシナノキの羽目板を黒く焼付塗装したスチールでフレーミングし、園児や親御さんを優しく迎えるエントランスを演出しました。また、最大限のガラス面を確保し地域の人たちに園児の活動が垣間見えるファサードとしました。
当初、入口近くに設けられた1階から2階に至る階段が、奥への採光を大きく遮っていましたが、手すり壁を白いスチールの手すりに変え、階段に面した2階の壁を強化ガラスのパーティションとすることで、明るさと透明感を確保しました。室内は白を基調にし、床は淡いサクラの無垢フローリング、腰壁にはナラの突板のアクセント、そして天井にはカラフルな折り上げ天井を配置しました。これはアーケードに面して空が直接望めない環境をポジティブに解釈し、色とりどりの空をいつも見上げられるようにとの思いを込めてデザインしました。
場所:神奈川県
用途:保育園
敷地面積:128㎡
建築面積:86㎡
改修面積:152㎡(全体453㎡)
構造:鉄筋コンクリート造(既存)
規模:地下1階地上7階の地上1~2階
完成:2022年3月
写真:加藤悠